標高が高い場所で気圧が下がり、体内の血中酸素濃度が薄くなって引き起こされる体の現象が「高山病」です。おもな症状は、頭痛、吐き気、嘔吐、眠気(めまい)。環境が原因のため、発症しても標高を下げれば治ります。富士山の場合、八合目(3,000mあたり)から発症してしまうケースが多いようです。
せっかくの富士登山、高山病で登頂断念…とならないように予防法をまとめました。参考にしてみてください。
高山病対策は登山開始前から始まります。前日はしっかり睡眠をとって、万全の体調でのぞみましょう。
登山口の富士宮口五合目は標高約2,390m、吉田口五合目でも標高約2,305m。人によってはこの時点で高山病が出てしまうこともある標高です。五合目までバスで登れることは便利ですが、一方で「急激に標高を上げている」ともいえます。加えて、睡眠中は呼吸も浅くなり、ますます高山病発症リスクが高まります。
というわけで、バスが富士山麓に着いて標高を上げ始めたら、起きていることが望ましいです。 こうした理由もあっての「対策その① 前日は十分な睡眠を!」です。
とはいえ、車酔いしやすい方に「バスで寝るのはNG」というのもなかなかキツいかと思います。そういう方は割り切って寝てしまい、対策その①③④で挽回しましょう。
なお、バスが平地を走っている間に寝ることについてはまったく問題ありませんので、ご安心ください。
バスが五合目に着いたらさっそく登山開始…といきたいところですが、まずはこの標高に体を慣らしましょう。これを高度順応といいます。
最低でも1時間程度、五合目で休憩してから出発しましょう。
水分が不足すると血中の酸素運搬がスムーズに行かなくなり、標高の高さと相まって高山病に至ります。そこで、登山中はこまめな水分補給を心がけましょう。一度に大量に水を飲むと汗をかいて体を冷やしたり、トイレが近くなったりしますので、あくまでちょっとずつ飲むようにしましょう。
以上、高山病予防のポイントでした。
みなさまの登頂成功にお役立てください。