大小約30の島々からなる小笠原諸島は、美しい青い海に囲まれた自然豊かな場所です。人が住んでいるのは父島と母島のみで、東京からは父島との間を結ぶ定期船で約24時間の距離にあります。定期便は概ね6日に1便、空港が無いため飛行機での移動もできないという交通事情ですが、透明度の高い青い海を目指して来島する人多数! また、平成23年には、小さな海洋島における生物の進化を示す典型的な見本として、世界的な価値を持つことが認められた結果、世界自然遺産に登録されました。小笠原諸島では、独自の進化を遂げた多くの生き物や、それらが織りなす生態系を見ることができます。どこまでも濃く深く透き通る海には、カラフルなサンゴ礁や熱帯魚、大物の魚の回遊などダイナミックな光景が楽しめるので、本土では味わえないような感動体験が出来るアクティビティが盛りだくさんです。今回は、そんな小笠原諸島・ 父島で楽しめる人気のマリンアクティビティをご紹介します。

海きれい! サンゴ礁に熱帯魚! クジラにイルカにウミガメまでいるらしいよ!

ダイビングとホエールウォッチングツアーは参加したいよね。

最近話題のSUPもできるんだって!

小笠原の海は、マリンアクティビティの宝庫だからね。なにから体験しようか?

船からクジラやイルカを観察、一緒に泳ぐ

©小笠原村観光局
小笠原諸島の海では、なんと約20種類のイルカやクジラが生活していると言われています。中でもミナミハンドウイルカ、ハシナガイルカは年中通して見ることができます。2~4月は繁殖と子育てのため北の海から小笠原にやってきたザトウクジラが、5~11月はマッコウクジラが見られます。ブリーチと呼ばれる高いジャンプや胸びれなどで海面を叩く姿はザトウクジラ、尾を上げて深海へ潜っていく姿はマッコウクジラが見せてくれますよ。
ホエールウォッチングを楽しむなら、「BONIN WAVE」などのツアー会社で約3時間の半日コース4,500円~、約7~8時間の1日コース10,000円~とプランが揃っています。料金は会社やシーズンなどによって変わりますので、それぞれご確認ください。船長さんはクジラと出会えるように一生懸命探してくれますが、野生動物ですから必ず出会えるとは限りません。ご了承くださいね。
年中いるイルカの中でも、前転やジャンプをよく見せてくれるのがハシナガイルカです。さらに、好奇心が旺盛なミナミハンドウイルカに出会えたら、ドルフィンスイムのチャンスです。「竹ネイチャーアカデミー」をはじめとするツアー会社では、ドルフィンスイム&ウォッチプランを販売しています。半日コースで7,000円~、1日コース12,000円~と、各社、シーズンで料金が変わりますのでご確認ください。
ゆっくりと入水し、イルカを驚かさないように泳ぐと、一緒に遊んでくれるイルカもいますよ。警戒心の強いイルカもいますので、テンションを上げ過ぎないように気を付けましょう。泳ぎが不安な方は、船の上から眺めるだけでも癒されること間違いなしです。
【BONIN WAVE】
住所:東京都小笠原村父島奥村たまな荘1号室
公式URL:http://www.boninwave.com/
料金:ドルフィンスイム・ホエールウォッチング半日4,500円、1日10,000円
レンタル:ウェットスーツ1,000円、マスク・シュノーケル・フィンは無料
【竹ネイチャーアカデミー】
住所:東京都小笠原村父島字東町
公式URL:http://www.take-na.com/
料金:ドルフィンウォッチング・スイム半日8,000円、1日13,000円
レンタル:ウェットスーツ1,000円、マスク・シュノーケル・フィン3点セット1,000円

釣りは一人で大物を狙うも良し、家族で魚に親しむも良し

©小笠原村観光局
年間を通して暖かい小笠原諸島。海は魚の宝庫です。釣り好きにとって、「憧れの海」という人も少なくありません。大物ですと、船に乗ってマグロやカンパチ、スマガツオなどを狙うことができます。小さなお子様が一緒の方は二見湾の桟橋や岩場でも磯釣りが楽しめますよ。「釣浜」という昔から釣りの名所として知られる海岸もおすすめです。ロクセンスズメダイやハタ類などが簡単な仕掛けで釣ることができますよ。釣り竿のレンタルやエサの販売を行っている会社もあります。船のチャーター代など各社料金や時間が違いますので、お問い合わせください。小笠原諸島は年間を通じて日差しが強いので、帽子やラッシュガードなど日焼け対策を忘れないようにしましょう。さらに海の上は陸より肌寒いので、羽織るものがあると安心ですよ。
また、父島には「ウェザーステーション展望台」など夕陽のスポットとして有名な展望台がありますが、船の上から見る夕陽も最高です。サンセットクルーズを企画しているツアー会社もありますので、ぜひ一面黄金に輝く海からの夕陽を堪能してみてください。夕焼けから星空へと変わるグラデーションも、「素晴らしい」の一言です。

スキューバダイブとシュノーケリングで海中を楽しむ

©小笠原村観光局
透明度が高く、深い青色が美しい小笠原諸島近海の色を、小笠原の言葉で「ボニンブルー」と言います。「ボニン」とは、江戸時代に「無人島(ぶにんじま)」と呼ばれていたことから「ブニン」が「ボニン」と転じ、そう呼ばれるようになりました。そんなボニンブルーを全身で楽しむには、スキューバダイブがおすすめです。どこまでも続くサンゴ礁にカラフルな熱帯魚が泳ぐ姿は、まさに小笠原ならでは。父島や兄島を中心にいくつもダイビングスポットがあり、マンタやアオウミガメに遭遇できることもあるそうです。ダイビング経験が無くても大丈夫。「ダイビングサービスKAIZIN」などのツアー会社では、インストラクターが基礎から教えてくれる体験ダイビングプランも用意しています。体験ダイビング16,500円~、ボートダイビング15,000円~など、ビギナーからベテランまで実力に合わせて楽しめるプランが充実しているので、ぜひ問い合わせてみてください。
もう少し気軽に潜るなら、シュノーケリングはいかがでしょう? 波打ち際でも透明度が高い海なので、魚のデザインもくっきり見ることができます。「竹ネイチャーアカデミー」などで8,000円~参加することができますよ。道具もレンタルすることができるので安心です。
【ダイビングサービスKAIZIN】
住所:東京都小笠原村父島字奥村
公式URL:http://www.kaizin.com/
料金:ビーチ体験ダイブコース(半日)16,500円、ボート体験ダイブコース(1日)18,000円、2ボートダイブ15,000円など
レンタル:ウェットスーツ(5mmワンピース)2,200円、レギュレータセット2,200円、フィン550円など
【竹ネイチャーアカデミー】
住所:東京都小笠原村父島字東町
公式URL:http://www.take-na.com/
料金:半日8,000円など
レンタル:ウェットスーツ1,000円、マスク・シュノーケル・フィンセット1,000円

人気のSUPやサーフィン、ウェイクボードで海と一体化する

©小笠原村観光局
最近、話題のアクティビティ「SUP(サップ)」ってご存知ですか? 「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略で、幅広で浮力のある特殊な長いボードの上に立ち、パドルを漕いで海の上を進むアクティビティです。思っているよりも安定感があり、初めてでも少しレッスンするだけでボードの上に立って海の上を自由に進めるようになります。冬はウェットスーツが必要ですが、それ以外のシーズンは泳ぐときと同じ格好で体験できるのも手軽で良いですね。さまざまな海でSUPを体験した人でも、「小笠原の海は格別の美しさだ」と感動されるとか。ボードの上から見る景色は、陸からとも船からとも違い、まさにSUPならではの光景です。初心者体験コースもあり、お子様連れでも安全にレクチャーしてくれますよ。「O.O.C.Cサップツアーズ」では、愛犬と一緒のツアーも好評です。料金は半日コース9,000円~、1日コース14,000円~で、ツアー会社によって異なりますのでご確認ください。同じボードに乗るアクティビティでは、サーフィンも人気です。島の西側に多くのサーフポイントが集まり、小笠原ならではのロケーションの中で波に乗ることができます。サーフィンスクールもあり、デビューにもおすすめですよ。また、父島ではウェイクボードも体験できます。ボートに引かれながら、海の上をボードに乗って滑走する「水上スノーボード」のようなスポーツです。そのスピード感は気分爽快! きっとトリコになるでしょう。
【O.O.C.Cサップツアーズ】
住所:東京都小笠原村父島扇浦
公式URL:https://oocc.jp/
料金:午後半日コース9,000円、1日コース16,000円、SUN SETコース7,000円など

シーカヤックやカヌー、セーリングで風を感じる

©小笠原村観光局
ボニンブルーの海を楽しむなら、シーカヤックやカヌーもおすすめです。海面に近い目線で景色を眺めたり、海中の熱帯魚を観察したりと、カヤックやカヌーでしかできない体験ができます。シーカヤックは1人から2人乗りの小回りがきく乗り物で、エンジンは付いていません。初めてでも、レクチャーを受ければ半日で自ら漕いで楽しめるようになります。海中を観察するだけでなく、シュノーケリングをしたり、カヤックでしか行けないビーチへ上陸したりと、カヤックならではの楽しみ方ができます。カヤックはさまざまなタイプがあるので、泳げない人は安定感のあるものが安心でしょう。料金は半日コース7,000円~、1日コース12,000円~などで、「自然体験ガイド ソルマル」ではカヤックや道具代に加え、シュノーケルセットやツアー保険なども含まれています。各会社によって内容が変わりますので、それぞれご確認ください。父島で体験できるカヌーは、アウトリガーと呼ばれるウキが付いているのが特徴です。ウキがあるため安定性が高く、船長がいるので安心です。アウトリガーカヌーには小さなエンジンが付いていますが、高速では走れません。ボニンブルーの美しい景色の中、のんびりと風を感じながらの沖遊びは、小笠原でしか味わえない特別な時間となるでしょう。また、父島では体験セーリングもできます。ヨットの操縦は、なかなか経験できませんよね。セールを揚げて風を受ければ、すいすいと海の上を走り出します。自分で舵をとり、ぜひ風を感じてください。
【自然体験ガイド ソルマル】
住所:東京都小笠原村父島字宮之浜道
公式URL:http://ogasawara-solmar.com/
料金:半日コース7,000円、1日コース12,000円など
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船をチャーターするのもあり。小笠原の海を満喫しよう!

©小笠原村観光局

海のアクティビティって、たくさんあるのね。

いろいろ組み合わせたツアーもあるみたい。

初めてでもインストラクターがいるから安心だね。

うん。せっかくの旅だから、思い切って体験しちゃおう!

小笠原の海を楽しむアクティビティは、たくさんあります。絶景を望むビーチでのんびり過ごすだけでも十分楽しめますが、海に潜ったり、クジラを観察したりと、ここでしか味わえない体験もぜひしてください。たくさんの体験をするには、ツアーに参加するほか、チャーターボートを利用する方法もあります。仲間や家族との気ままなクルージングなら、気になるポイントでシュノーケリングや釣りを楽しむことができますし、荒々しい岩肌の崖をじっくりと見ることもできます。オリジナルのサンセットクルーズも楽しめますよ。
ご紹介したプランは、ツアー会社によって料金や開催時間、最小催行人数などが違います。必ず事前にご確認の上、ご予約ください。小笠原諸島は東京本土より紫外線が強いので、日焼け止めやラッシュガード、靴などは必ず自分で用意して行きましょう。1日プランでは、お弁当が必要な場合もあります。島内にお弁当を販売しているお店もありますので、確認して必要なら予約をしておきましょう。小笠原諸島は2011年、世界自然遺産に登録されており、島独自のルールやガイドラインを設けて自然や生態系を守っています。必ずガイドさんの言うことを聞き、ルールを守って楽しみましょう。
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